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花影のカンタータ

月に照らされた花の影で、小さな小さな歌声を

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非科学的な如月くん ― 実際 

361.
「かえして!」
 三歳の如月は、幼児特有の大きな目を涙で一杯にして、精一杯手を伸ばした。その小さな手を払いのけて、良正は言った。
「おまえ、ひとりじめしすぎ。つぎはおれがつかう」
「ちがうよ、ぼくのだもん! かえしてよ!」
 良正の手に握られていたブロックが、ふわりと空中に浮かんだ。風にあおられるたんぽぽの綿毛のようにブロックはくるくると回転し、如月の手元にすっぽりと入った。良正は驚いて目を見開いた。如月は相変わらずぼろぼろと涙をこぼしていたが、ブロックが手元に戻ってきた途端、勝ち誇った顔でブロックを握りしめた。
「ほら! ぼくのだからかえってきた!」
 良正は初めて目にした現象に固まっていたが、如月の言葉が耳に入ると怒ったように顔にしわを寄せた。そして。
 ばしっ!
 如月を全力で叩いた。
「いたい!」
「ふんっ」
 痛いのとびっくりしたのとで尻餅をついた如月の握りしめる力が緩んだのを見逃さず、良正はブロックを奪い返した。予想外だったのだろう、如月はぽかんと口を開けて良正を見つめた。
「ぼ、ぼくのなのに」
「うるさい。とられたほうがわるい。なんたって、よのなかはじゃくにくきょうしょくだからな」
 良正はそのままブロックを使って遊びだした。何か作品を作ろうとしている良正の邪魔をして何とかブロックを取り返そうとする如月だったが、結局、如月が良正に勝つことはなかった。
 こうして、はじめは喧嘩ばっかりだった二人はいつの間にか、いつも一緒にいるようになったのだった。
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Posted on 2013/12/21 Sat. 21:22 [edit]

category: 非科学的な如月くん

thread: 自作小説  -  janre: 小説・文学

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