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花影のカンタータ

月に照らされた花の影で、小さな小さな歌声を

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いきなり最終戦線!24 

「このままにしておけば、人間界・魔法界と魔界の境界であるプレートが破壊され、修復できなくなります。ただでさえ、このプレートには『隙間』があきやすくモンスターが入り込んでいるのに、これ以上巨大な穴が増え続ければ、起こるであろう未来は予測できるはずです。時間がない、このまま門を開きます」
 なんですと!?
 マミーはびっくりしたが、これからどうすればいいのか分からずおろおろと体をゆすった。大きな鎧がしぶしぶといったように頷く。
「うむ……。確かに貴殿の言うとおりである。ペガサスにはなるべく遠くに行くよう言っておいた。こちらの準備は完璧である」
「私たちの方も大丈夫ですよ」
 エースが魔界に帰ってしまうのは止めなければならない。だが、準備は着々と進んでいる。マミーはもう我慢できなかった。
「では! 魔導師同盟の方々、さっそく天の底に防御結界を――」
「ダメ――――――!!!」
 ごいいんっ
 マミーは風魔法を使って瞬時に鎧の上空まで移動すると、手にしたロッドで思い切り隊長の兜を殴った。殴られた衝撃か殴ったときのすさまじい音のせいか、隊長は倒れた。
「隊長!?」
「女の子に殴られて気絶はないっすよ隊長-」
「お前、隊長に何て失礼なことを!」
 部下二人が地面にふせっている隊長に注意を向けている間に、マミーはエースにしがみついた。
「エェェ――スゥゥ――――!」
「マミー」
 エースはため息をついてマミーの頭をなでた。魔導師同盟の人たちは、突然の出来事を面白そうに眺めていた。
「お前がさっきから、端の方からこちらを見ているのは知ってた。羽が反射して光っていたからな」
「えっ、そうだったの!?」
 ちゃんと隠れてたつもりだったのに。とマミーは落ち込みかけたところで、目的を思い出した。
「エース! 早く帰ろう? エースが魔界に戻るのは間違ってるもん」
「いや、間違ってない」
「エース!」
 何でそういうこと言うの?という顔をしているマミーを見て、エースは微笑んだ。
 あいつらなら追ってくるだろうと思っていた。だがまさか、マミー一人で来るとはな。
 エースは傷だらけのマミーの手を握って、しゃがんだ。マミーを少し見上げるエースの真紅の目は真剣で、決意をした迷いのない目だった。
「さっきも聞いていただろう? 早くプレートに穴をあけるのをやめさせなければ、魔法界が滅亡してしまう。魔法界の次は人間界だ。いや、プレートがやられてしまえば、同時に滅んでしまうかもしれない。そしてそれを止めることができるのは、いや、そんなことになる原因をつくったのは、俺だ」
 でも、とマミーはつぶやく。情けない顔になっていることに、本人は全く気がついていなかった。
「でも! 何か別の方法があるかも……!」
「マミー、それはない。これは、俺にしかできないことなんだ。……本当に、お前は」
 お人好しだな。
 ぽんっと、エースはマミーの頭に手を置いた。嬉しそうに、そして寂しそうに笑うエースを見て、マミーは涙をこぼしながら叫んだ。
「違うよ!」
 本当は、エースがやらなければならないことだと、マミーも分かっていた。分かっていたけれど、エースが帰りたいと本当に思ってるわけじゃないのに、帰らなきゃいけなくなる状況が嫌だった。エースが「皆と、一緒にいたい」と言ってくれたとき、嬉しかった。だから魔界に帰るのは駄目だと思って、こんな、寂しそうな顔をさせたら駄目だと思って。
「あたしはお人好しなんかじゃないよ! そ、そうかもしれないけど、お人好しだからエースを助けようとしたわけじゃないよ! エースが仲間だから、友達だから……、パートナーだから、大好きだから、大切だから!」
「……マミー」
「エースは、皆と一緒にいたい、って言ってくれたのに、すぐに連れていかれちゃうし。何か最初からあきらめてるしさぁ! あたしが、助けないとって、助けたいって……思って……。でも……、でも……」
 マミーの顔は涙でぐちゃぐちゃだった。エースの手を、今度は握りかえして、強く握った。
「あたし、やっぱりだめだった……? 全然助けになってないよね? ……いっつも、あたし助けられてばっかりだし、皆強いけど、あたしだけ弱くて……。でも、今度は助けになれるって、エースを助けられるって、思ったのに……。全然……」
「そんなことはない!」
 エースは思わず叫んだ。徐々に弱々しく、今にも倒れそうなマミーを、エースは呆然とみていた。けれども、本当は、ここまで自分のことを考えてくれていたことが嬉しくて、エースも泣きそうになった。
「俺だって! マミーに沢山助けられた!」
「う、嘘だよぅう」
「本当だ!」
「嘘だああ。あたしそんなことしてないもぉおん!」
「本当だって言ってるだろ、信じろ!」
 うわあああ、と泣き出すマミーになんと言えば分かってくれるのかとエースが目に見えてあせっていると、今まで面白そうに見守っていた魔導師同盟の人たちがざわつき始めた。代表なのか、例の男が二人に近寄り、緊迫した表情をしていた。
「王子! 門に異変が……!」
「なっ……!?」
 男に促され振り返ると、黒い巨大な半円に赤い光が点り、不思議な紋様を浮かび上がらせていた。光は不規則に動いてるが何か目的があるようで、徐々に不思議な模様は一つのものを描き出していた。
「な、何これ……!?」
「……『扉』だ」
 赤い光は、複雑な模様が描かれた門を浮かび上がらせている。何が起こっているのかいち早く理解したエースは、すぐに門に向かって走った。
「エ、エース!」
「マミー、この門に近づくな! この門は今魔界側から開かれようとしている! 皆ここから離れろ!」
「門って、この黒いのが!?」
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Posted on 2013/10/02 Wed. 21:00 [edit]

category: いきなり最終戦線!

thread: 自作小説(ファンタジー)  -  janre: 小説・文学

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コメント

初めまして。 

こんばんは、毎回こっそり楽しく拝見させていただいています(^^)
今回のお話はギャグやアクションや恋愛?もあって豪華ですね。これからもたくさんお話読ませてください。

URL | さらだ菜 #KI344E/o | 2013/10/02 22:25 | edit

Re: 初めまして。 

はじめまして!こんな辺鄙なところに来て下さって、うれしいです。
本当にありがとうございます!
少しでも明るい気分になれれば、私の書きたいお話が書けているかな、と思います。
こんな素晴らしいコメントをもらって、感謝の言葉しかありません。
ありがとうございます。
お暇なときでいいので、どうぞ気軽にお越し下さい。

URL | 小桜 羽色 #- | 2013/10/04 01:16 | edit

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